恵みの雨


■ 優先順位を確立する ■

...「あなたのしていることは良くありません」(出エジプト記18章17節)。モーセのしゅうと、イテロのことばです。「これまでのモーセの生活パターンは、これからの荒野の旅路にとってはふさわしくない。エジプト脱出の際の営みを変革すべき時期に来ている。すべてのことに手をつけるのをやめて、モーセにしかできない、指導者のすべきことに専念しなさい」という、客観的で厳しいアドバイスです。実際、エジプトを脱出したのはよかったものの、モーセも民も、いつつぶれてもおかしくない極限の状態にありました。
...箴言も「おおらかな人は肥え、人を潤す者は自分も潤される」(11章25節)と述べています。子育てにおいても、子どもにゆとりを持って接するのと、ぎりぎりの状態で接するのとでは、反応に相当の違いがあるでしょう。
...さて、私のかつての失敗は、毎週の説教準備に追われ、悪循環に陥っていたことにありました。
その経験から、生活の中でいかにゆとりを確保するかは、優先順位の問題であることを発見しま
した。私は毎週、日曜の礼拝説教の準備を週の後半ぎりぎりに持ってきていたので、週ごとに時
の経過が魔の手のように感じられ、金曜日を迎えるころからストレスが心と体にのしかかるような心境でした。数回ならハラハラドキドキも楽しいのですが、週の後半に深刻な人生相談や突然
の葬式などが入ると、ほとんどパニック状態でした。
...ところが数年前、あるアメリカ人牧師が何と三カ月先の説教準備をしている、ということを聞いたのです。衝撃を受けた私は、数カ月先の説教準備を目標に生活パターンを変えました。同じメッセージの準備をするのでも、週の前半にするのと後半にするのとでは、こんなにも心のゆとりが違うものかと、解放された気分になったものです。
...サラリーマンとして、主婦として、それぞれの人生の最優先事項は何でしょう。逆に、二の次、三の次でよいものは何でしょう。立ち止まって整理し、どこかで悪循環を断つ必要はないでしょうか。どうしてもしなければいけないことか、しなくてもよいことか、流れに身を任せず、自らの主権でコントロールできたら幸いです。優先順位についての少しの決心と整理が、生活パターンやスケジュールの組み替えをもたらし、ゆとりあるクリスチャンライフに導かれるならば幸いです。